一瞬、ワニのように見えた切り株を前に足が止まった
表面が丸みを帯びたその姿に、像を撫でて病気の回復を祈るびんずる様を思い出す
でも、これは撫でられたのではなく
風雨にさらされ、多くの人に踏まれながらいつしか丸くなったのであろうその姿に
幾多の困難を乗り越え成長してきた人間と重ね合わせ
渦中にいる時は辛くとも、それを糧に視野が広がることで自分自身が前よりも楽に生きやすくなる
それが思うような振り幅ではなくても、ちょっぴりでもそうなればいつしか目の前の世界は丸くなり、そしてそれと同時に気が付けば自分自身も丸くなっている
鞍馬山でワニに見える切り株を見てそのようなことを想った旅の思い出の一コマでした