ぶるぶる

ある日、ホームの先頭で電車が来るのを待っていた時のこと

最初は視線が真っ直ぐ正面に向き、向かい側のホームでぶるぶると寒そうにしている人々の姿を「そうだよね~、今日は冷えるよねぇ」なんて思いながら見ていたら、いつの間にか自分の肩もきゅっと上がっていた…どうやら自覚していた以上に同調しやすい性質のようである(笑)

そして次に目が行ったのが、足元

これが、「よりによってなぜそこに⁈」と問いたくなるような、アスファルトの亀裂に出来たほんの少しの隙間から顔を出している背丈のと~っても低い雑草

とその時、向かいのホームに電車が入ってきた!

15両もあるのでびゅんびゅんと風を切りながら入ってくるので、こちら側に立っていてもなかなかな風を感じる

そしてそれは足元の雑草も同じで…と思いきや、相当”ぶるぶる”している🍃(爆笑)

そんなこんなで一人の世界を楽しんでいたら今度はこちが側にも電車が入ってきた~!!

もうね”相当なぶるぶる”では済まされないその小刻みな動きは、”ぶるぶる”が永遠に続きそうなほどの機敏な揺れで乗り込む直前まで目が離せない

そんな姿を凝視していたら改めて「どうしてそこを選んだの?」と心底問いたくなったのである

雑草の本

そんな気持ちを頂きつつ数日が過ぎたころ

チャンピサージを受けに来られたMさんとたまたま植物の話になり、「四つ葉のクローバーって…その群生地がね…過酷な環境だからこそ進化するって凄いよね」などのあれやこれの会話を楽しんでいたら「先日図書館に行った時にたまたま雑草の本を手にして面白かった」とお話くださるではないですか😲

直ぐに飛びついてタイトルを教えていただき、その場で図書館に予約を入れて手にしたその本は、雑草のあれやこれが知れた上に「○○でなくて良い」がたくさん書かれた思いもよらぬ内容で、自分を大切にする「がんばらない生き方」が雑草を通して書かれたとても心温まる内容でした

それがこちらの書籍

「雑草は踏まれたら立ち上がりません。無駄な戦いをしないこと。それが雑草の戦略です」

踏まれても立ち上がらないことにした まえがきより

自分の弱さを知っている強さ

私が知りたかった「どうしてそこを選んだのか」

これは、光を奪い合う競争の場から逃げて自分が生きのびていける自分に相応しい場所を選んだからだということ

アスファルトの隙間の土は、雨水が流れ込みやすくなかなか乾かないので水に困らず、そして葉が抜かれようとも地下で根をぐ~んと伸ばしているので生き抜いていける最適な環境であること

また、種が飛ばされても自分に相応しい環境でないと思ったら芽を出さずに休眠し、いつかそこが自分にとっての居場所だと思ったその時に芽を出す「マイペースさ重視」であることも書かれていました

自分の弱さを受け入れると、「では、どうしたらよいか?」と新たな生きやすい道を選択できる雑草の生きる力に感銘を受け

この本を読むとつい伸びをしたくなる、そんな肩の力が抜ける素敵な内容でした

「○○じゃなくたっていい」「いろいろなものが入りまじっているからいい」これらの考え方が元々好きな私は読んでいて「うんうん」と、うなずきまくりの「うなずきんみなみ」になっており、以前にも増して雑草が好きになりました